わきがのチェック

チェック表で対処法を確認

体臭の自己診断とその治療

体臭(ワキガ)が気になる場合には、まず、腋窩多汗があるかないかによって、治療法が違ってきます。
なぜなら、腋窩多汗を伴わない場合、たとえ、ワキガ体質であってもその程度は、軽症〜中程度のことが多く、手術しなくても電気凝固法で十分対応できるからです。
また、耳アカが乾燥して、ワキ毛も細くて少なく、下着も黄染しない人なら、本人だけが「におうのではないか」と悩んでいる自己臭症の場合が多いのです。
その場合も、当然手術ではなく、まず、精神療法や薬物療法が中心になります。
私は、言葉による説得で納得しないケースでは、腋窩皮膚に数ミリの切開を加えて、皮下にアポクリン腺が多量に存在するか否かを確認するための「試験切開」という手技を用います。
「百聞は一見にしかず」で、今まで、自分はにおうと強く思い込んでいた患者さんでも、このようにして明らかな証拠を見せつけられると納得するものです。
次に、腋窩の多汗が気になる場合には、手術で腋窩のアポクリン腺を完全に摘出した方がよいこともあります。

特に、別表のように、

@耳アカが軟らかで、
A遺伝傾向があり、
Bワキ毛も太く多数あり外耳道の毛も多く、
C白い下着が黄染するケース。

では、まず間違いなくワキガ体質ですので、手術の適応ということになります。
しかし、時に、腋窩多汗を伴う場合でも、表の条件がすべて満たされないこともあります。たとえば、耳アカは軟らかくても、ワキ毛は細く少なく、下着も黄染しない場合があります。そのような場合、手術で皮下を見るとアポクリン腺が非常に少なく、自己臭症タイプの患者だとわかることもあります。
このような無駄な手術を避けるために、以上のケースでは「試験切開後手術」という方法をとることもあります。
すなわち、一応、直視下剥離法の手術ができるように準備した上で、腋窩皮膚の手術切開線上に、ほんの数ミリ切開をして、皮下の組織の状態を確かめます。
アポクリン腺が多い時は、切開の幅を拡大してそのまま手術を進め、アポクリン腺の量が少ないなら、その事実を患者さんに教え、また、本人に鏡で確認してもらった上で、試験切開だけで手術を中止します。このようにして、余分な負担や意味のない手術を避けることができます。
特に、耳アカが乾燥していてワキ毛は多くても、下着は黄染しない患者さんには、この試験切開後手術を勧めます。
私の経験ではこのような患者さんのうち手術の適応となるのは、3割から5割程度です。しかもその中には重症のワキガ体質者はさほど多くなく、中程度のワキガ体質で、季節的にニオイが気になるけれど制汗剤を毎日塗るのが面倒だとか、中程度なことはわかったが、少しのニオイも気になるから手術をしてほしい、といった患者さんが含まれています。
以上のように、ニオイという主観的な価値基準に基づく悩みでも、このように客観的で適切な治療法の選択が可能なのです。


体臭の自己チェック表



五味常明 院長