わきがのチェック

チェック表で対処法を確認

多汗症の自己診断とその治療

正しい多汗の治療法も、体臭の治療と同様に、正しい診断によって決められます。
まず、第一に、甲状腺疾患などの内科的治療を必要とする病気が原因でないかを知ることが重要です。
次に、体のどの部分に汗をかくのかを考えます。
大きく分けて、

@体全体か。
A手のひら・足の裏か。
Bワキの下か。

に分類されます。

体全体に汗をかく場合には、体力が弱っていて汗をかくのか、生理的に汗をかくのかを考えます。体力が弱っている場合には、盗汗(寝汗)、自汗(動くとすぐ汗をかく)の形をとることが多いのです。
これは、中医学的な考えでは、気虚・腸虚という状態の時に、上位中枢の興奮性の低下によって下部発汗中枢への抑制が低下したための現象といわれ、慢性の病気を長く患っている場合に生じます。
治療法は、中医学的弁証によって、患者の体質に合った漢方薬を選択することになります。(※註:現在、当院では漢方薬の処方はしておりません)

手のひらや足の裏に汗をかく人は、まず100%精神的要因が関与しています。
薬の投与でも効果がない場合には、自律訓練法などの精神療法の適応になります。それでも効果がなく、患者さんの発汗に関する悩みが非常に強く、生活や仕事に支障をきたすケースに限り「内視鏡下胸部交感神経節焼却術」という神経ブロックを行うこともあります。ただこの方法は相当の経験のある医師から施術を受けるべきです。なぜなら手のひらの汗は減少しても体の他の部分(例えば下半身や足)の汗が代償的に増加して、今度はその多汗で悩むケースが多いからです。これらの神経ブロックは、専門医に相談の上慎重に行われるべきでしょう。

腋窩の多汗が気になる場合は、ワキガの時と同様に、

@耳アカが軟らかいか。
A下着が黄染するか。
B遺伝傾向はあるか。
C毛は多いか。

などを参考にして、精神的発汗の傾向があるかないかを判断し、精神性発汗ならば、ボトックス治療あるいは手掌多汗と同様な治療法を行います。

精神的発汗の傾向がないケースでは、一年中腋窩多汗がある場合は、ワキガ手術と同様に直視下剥離手術を行います。
ただしこの場合は、アポクリン腺だけでなく、皮下の表層に存在するエクリン腺の一部(全部は不可能)を破壊する目的で、真皮近くを剥離するようにします。
梅雨時だけ気になるといったケースでは手術は勧めません。市販の制汗剤を使用する方がベターです。もちろんその際には、多汗症についての十分な説明と、患者さんの内面を重視した十分な問診が前提になることは言うまでもありません。




五味常明 院長