わきがの手術

原因を根本から取り除き、効果が持続する根治的治療法

直視化剥離法(五味法)

直視下剥離(はくり)法(五味法)とは、アポクリン腺の摘出法や切開部位、切開範囲などに技術的な改良を加えた、最新の直視下手術法です。この「直視下剥離法」の「直視下」とは、直に視ながら摘出を行うことを意味しています。

ワキガを完全に治すには、ワキガの原因となるアポクリン腺を完全に取り除く必要があります。問題は、アポクリン腺を腺根まで含めて完全に取り除いたか否かを、どうやって手術中に確認するか、ということです。

最も確実な方法は、手術する医師がその目で直に確認することです。幸いなことに、ワキの下のアポクリン腺は、イクラの粒のようで、その存在を一粒一粒はっきり確認できます。皮脂腺は「剥離法」では、鳥肌のようにブツブツと膨張してくることがわかります。毛根にいたっては、皮膚科の教科書の図のようにはっきりしています。
自分の目で確認しながら摘出していくなら、アポクリン腺や皮脂腺を一つ残らず、最後の一粒まで完全に取り除くことは容易なのです。

剥離の手順
直視化剥離法では、摘出の前処置として、皮膚および脂肪層と、アポクリン腺層を丁寧に「剥離」します。

脂肪層からアポクリン腺層を剥離する


脂肪層とアポクリン腺の層は薄い膜で区切られているため、きれいに剥離でき、上手に剥離すると出血も少なくてすみます。皮膚を反転するとアポクリン腺の層がきれいに露出するので、今度は皮膚とアポクリン腺層の剥離を行います。

腺根を含んだ真皮層を均等に削除する剥離法であれば、同時にエクリン腺の一部まで削除でき、減汗効果をさらに高めることができます。

また、剥離時に皮脂腺も自然に浮き上がってくるため、そのすべてを摘出することも可能です。
皮下の血管網は脂肪層に多いのですが、剥離してから摘出を行えば、出血も最小限に抑えられます。たとえ出血しても、出血点がはっきり確認できるため、止血がスムーズにできます。術後の血腫形成の心配がないため、入院して血腫ができているか確かめる必要もありません。

麻酔
麻酔は歯医者さんと同じキシロカインの局所麻酔で、通常の0.5%の濃度をさらに半分に希釈したものを最小限使用するだけで十分無痛の手術が可能です。
直視化剥離法では、皮下の被膜をきれいに剥離するため出血も少なく、神経や血管が分布する深層の脂肪層まで手術層が達しないため、痛みもなく、結果的に少量の麻酔により手術が可能となるのです。
もちろん、過去の麻酔のアレルギーの有無についての問診や、麻酔の経験のない人の場合は術前にテストが必要になります。


切開範囲と術後の傷痕
切開するのは長さ1.5〜2センチ程度です。切開範囲は、患者さん一人一人の皮膚の伸びに合わせて変えるので、皮膚の伸びやすい人ややせ型の人は切開範囲が狭くなります。
ワキの下のシワに沿って切開するため、術後の傷痕はやがてシワにまぎれ、半年もすればさほど目立たなくなります。
ただし、どのような手術でも例外というものがあります。傷に関して特別神経質な患者さんは術前に相談したほうがよいでしょう。


埋没式タイオーバー法による術後の皮膚の固定
一般には、手術が終わって切開部を縫合する際、皮膚を自然に生着させるため、タイオーバー法で圧迫固定を行います。
しかし、これは皮膚の上にガーゼを乗せているだけの固定法なので、絶えず動く部位であるワキの下に用いると、十分な固定性が得られません。しかし、タイオーバーをワキの下に埋め込む固定法「埋没式タイオーバー法」では、肩が動いてもガーゼはズレないので、術後すぐに仕事をしても(極端に腕を上下させる仕事でない限り)大丈夫です。


直視化剥離法と他の手術法との比較
術後の傷痕に関しては、吸引法などの機械的方法の方が残りにくいといえるでしょう。
手術時間に関しても、他の手術法の方が短時間ですみます。直視化剥離法はアポクリン腺や皮脂腺の取り残しがないよう、目で確認しながら丁寧に取り除くという作業を行いますので、両脇でどうしても最低1時間はかかります。

麻酔については、出血を最小限に抑える直視化剥離法に比べると、機械的方法の手術は、麻酔の量が多くなります。

非直視化手術法の最大の問題は、目で直接確認せず摘出を行うため、皮膚や脂肪層も余計に取れてしまったり、肝心のアポクリン腺の取り残しが起きることです。 アポクリン腺は腺体と腺根(導管部)からなりますが、腺根は硬い真皮層に入り込んでいるため、直視化剥離法のように、鋭利なハサミによって剥離しなければ完全に摘出できません。腺根が一部でも残ると、将来アポクリン腺が再生、ワキガが再発する可能性があります。

次に、同じ直視下手術法に分類される直視化剥離法と剪除法の違いについて説明します。直視化剥離法の場合は、下図の青いラインにハサミを入れ、真皮層とともにアポクリン腺を腺根まで完全に取り除きます。それに対し、剪除法では、やわらかいアポクリン腺の腺体を真皮層の下の部分(赤いライン)から掻き出しますので、腺根が残ってしまいます。
直視下剥離法と剪除法の違い


以上のように、「再発のないように100%治す」ことを希望する場合には、直視下剥離法が最もすぐれた手術法と言えるでしょう。
再発を防ぐために、ワキガの原因であるアポクリン腺を腺根も含めて一つ残らず摘出するには、現在のところ、直視化剥離法以外の選択肢はありません。

また、ワキガの完治よりも術後の傷痕が目立たないことを優先したいのであれば、手術療法を行うまでもなく、ボトックスや電気凝固法で対応可能です。





直視化剥離法についてさらに詳しくお知りになりたい方は、以下のページをご覧ください。

 ワキガの手術法…直視下剥離法(五味法)
最も合理的なワキガ・多汗症手術法、直視下剥離法(五味法)について詳しく解説しています。



五味常明 院長

動画によるワキガ手術の解説


ワキガを完全に治す方法を教えてください
ワキガを完全に治す方法を教えてください